米エリジウムスペース社、米スペースX社のファルコン9で宇宙葬の打ち上げを行うことを発表
宇宙葬サービスを提供するエリジウムスペース(本社:サンフランシスコ、CEO:トマ・シベ, Thomas Civeit)は、次回地球周回ミッション「Star2」の打上げがスペースX社のファルコン9への相乗りになることを発表しました。打上げはカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地より行われます。これは昨年11月に発表した打上げアレンジ企業、米スペースフライト社との年1回以上の定期的な打上げを行う画期的なパートナーシップによるもので、打上げまでの待ち時間を数年から数ヶ月に激減させるものです。
「最もすばらしいロケットの一つであるファルコン9により、ご家族の希望を叶える事ができることを誇りに思っております。この歴史的な打上げにより参加者のみなさまに、より完全な状況で意義深い経験をご提供できると確信しております。」と、エリジウムスペースの創設者兼CEOのトマ・シベは語っています。
アメリカの退役軍人や航空宇宙ファン、また、生前に宇宙への旅をご希望された故人のご家族の方々を含める約100名の参加者が、次回の打上げに申し込まれております。参加されたご家族はバンデンバーグの打上げイベントに参加いただける他、インターネットを介してのライブストリーミングでも打上げをご覧いただけます。
スペースX ファルコン9ロケット(©SpaceX)
エリジウムスペースの人工衛星は太陽同期軌道と呼ばれる軌道に投入され、90分で地球を1周し、星々の中を旅する間、世界中のすべての地点の上空を通過します。およそ2年間で大気圏に再突入し流れ星となります。そのため、近年懸念されている、スペースデブリ(宇宙ごみ)になることがなく、環境にも優しいサービスとなっています。故人様のご家族や友人は、その周回の様子を、スマートフォン及びタブレット向けの無料アプリによって、いまどこに衛星がいるのかリアルタイムに確認することが出来ます。現在も予約を受け付けており、エリジウムスペースのウェブサイトから30万円より申し込みが可能です。
エリジウムスペースの人工衛星は宇宙葬専用の衛星としては世界初の超小型衛星となります。遺灰の一部または髪の毛等を納めたカプセルやその他の記念品を納めて打上げられます。これまでの宇宙葬はカプセルをロケットの最上段や他の衛星の一部に搭載していました。
スペースXが使用している打上場である、バンデンバーグ空軍基地のSLC-4Eは、1960年代初頭から長い歴史を持っています。最初の打上げは1962年のAtlasロケットから始まり、2005年のタイタンIVの打上げまで利用されました。その後2011年7月にスペースXが射場整備を始め、2012年11月に完成しました。
「超小型衛星は、成長著しい新宇宙産業の中でも重要な存在であり、宇宙を使ったよりユニークなサービスやアプリケーションが、弊社の事業に貢献してくれることを嬉しく思っています」と、スペースフライト社のカート・ブレイク社長は語っています。
エリジウムスペースは今後も様々な形で、宇宙を活用した葬送サービスを、誰にでも購入可能な価格で提供し、宇宙へ、そして地球へ還るコンセプトで、さらなる葬送の自由を提供してまいります。